【3月29日 AFP】アフガニスタンの首都カブールで2021年、空港付近で起こった爆弾攻撃により両親が亡くなり、国外に退避する飛行機に独りで乗せられた幼児が、カタールの孤児院で家族らと再会した。

 当時アフガンから保護者の同伴なしに避難した子ども約200人のうち、この女児は生後数週間で最年少だった。

 カタールには、おじのヤール・モハマド・ニアジさんと、兄、2人の姉が来た。孤児院でマリアムと名付けられた女児は現在1歳9か月で、出生時の名前はアリーザだった。

 ニアジさんは「もう見つけられないかもと思っていた。感激している」と語った。

 イスラム主義組織タリバン(Taliban)がカブールを制圧した2021年8月、国外へ脱出しようと大勢が空港に殺到し、混乱状態となった。

 マリアムちゃんの両親は子ども4人を連れて、同月26日にアフガンからの脱出を試みた。しかし、両親は空港付近で起きた連続爆弾攻撃と銃撃に巻き込まれて亡くなった。この攻撃では183人が死亡した。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。

 カタール当局者によると、10代の少年がマリアムちゃんをドーハ行きの米軍機に乗せた。

 孤児院と国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)の協力により、マリアムちゃんの家族探しが進められた。その過程で、カタール当局にユニセフからDNA鑑定の依頼があったという。

 DNA鑑定結果の確認に時間がかかった上、ニアジさんらがタリバン当局からパスポートを取得するのにも数か月を要した。

 ニアジさんは自分の家族とマリアムちゃんらと共に、米国に移住する申請をしたいと思っている。また、マリアムちゃんが自分のことをマリアムと言う名で認識しているため、これからもこの名前を使い続けるという。(c)AFP