【3月29日 AFP】イタリア政府は28日、培養肉などの細胞培養食品の製造と販売を禁止する法案を提出した。

 オラツィオ・スキッラーチ(Orazio Schillaci)保健相は法案を閣議決定した後の記者会見で、「現時点で細胞培養食品の摂取の有害性を示す科学的根拠はなく、予防原則に基づくものだ」と説明した。

 法案が禁止対象としているのは、豆類などを原料とした植物性代替肉ではなく、動物の細胞を組織培養された細胞培養食品。違反者には、6万ユーロ(約850万円)以下の罰金などが科される。

 イタリア最大の農業組合「コルディレッティ(Coldiretti)」は法案を支持。同日午後に首都ローマ中心部の官庁街でフラッシュモブを行い、「合成食品にノー」とのメッセージを掲げた。

 同組合のエットーレ・プランディーニ(Ettore Prandini)会長は「食品の質と安全性において欧州のリーダーたるイタリアは、市民と業界を守るため、食料政策の最前線に立つ義務がある」と述べた。

 法案は2か月以内に議会で可決されれば法律として成立する。審議中に修正される可能性がある。(c)AFP