【3月28日 AFP】ロシア検察当局は27日、学校でウクライナ侵攻に批判的な絵を描いたため更生施設に送られた13歳の少女の父親について、軍の「信用を失墜させた」罪で懲役2年を求刑した。

 ロシアでは現在、ウクライナ侵攻への批判は処罰の対象となる。

 シングルファーザーのアレクセイ・モスカリョフ(Alexei Moskalyov)さんと娘のマリア(Maria Moskalyova)さんは、モスクワの南方300キロに位置する人口約3万7000人の小さな町エフレモフ(Yefremov)の出身。

 マリアさんは昨年4月、ロシア国旗の上を飛ぶミサイルが、ウクライナ国旗の隣に立つ女性と子どもに向かっている絵を学校で描き、「戦争反対」「ウクライナに栄光あれ」と書き添えた。校長の通報を受け、当局は刑事事件としてモスカリョフさんに対する捜査を開始。ソーシャルメディアのプロフィルでウクライナ侵攻を批判していたとしている。

 マリアさんは今月、「青少年更生センター」に収容され、モスカリョフさんは自宅軟禁下に置かれていた。

 モスカリョフさんは無実を主張しているが、担当弁護士によれば、28日にも収監される公算が大きく、その場合、マリアさんは孤児院に送られるとみられる。

 事件はロシア全土で注目を集め、親子の再会を求めるオンライン署名運動も起きている。ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏もマリアさんへの支持を表明し、当局を批判している。(c)AFP