【3月28日 AFP】インドネシアで今年5月に開催されるサッカーU-20W杯(U-20 World Cup 2023)の組み合わせ抽選会が中止されたと、首都ジャカルタの関係者が明らかにした。数日前には、同国の観光地バリ(Bali)の州知事がイスラエルを大会から除外すべきと呼び掛けていた。

 インドネシアは現在イスラエルとは正式な外交関係を結んでいない。イスラム教徒の人口が世界で最も多い同国ではパレスチナ支持派が多いことから、現地ではイスラエルの出場に反発する声が高まっている。

 U-20W杯には計24か国が出場予定で、その組み合わせ抽選会は31日にバリで行われることになっていたが、インドネシアサッカー協会(PSSI)は26日、国際サッカー連盟(FIFA)が理由や代替日程は告げずに抽選会を取りやめたと発表していた。

 関係者は抽選会中止の主な要因について、バリのワヤン・コステル(Wayan Koster)州知事が今月、青年・スポーツ省に対し、パレスチナへの政策をめぐってイスラエルの出場禁止を要請する書簡を送っていたことのようだと述べている。

 イスラエルは初めて予選を突破して本大会の出場権を獲得しており、インドネシア政府側は同国の参加を保護すると表明していた。

 大会主催者は、ヒンズー教徒が多数を占めるバリでイスラエルの試合を行うことで、自国の反発が和らげられることを期待していたが、コステル州知事の反対により暗雲が漂っている。

 今月にはイスラム教徒の保守派約100人が、イスラエルの参加に抗議してジャカルタでデモ行進を行っていた。

 ジャカルタの関係者は、この状況が解決されなければ、インドネシアが同国史上初となる主要国際大会の開催権を失い、FIFAからも孤立する恐れがあると述べた。(c)AFP