【3月27日 AFP】コロンビア警察のトップが25日、麻薬カルテルの首領など凶悪な犯罪者との戦いにおいて、悪魔払いと祈りを活用していると発言し、物議を醸している。

 ヘンリー・サナブリア(Henry Sanabria)長官は、週刊紙「セマナ(Semana)」に語った。インタビューを受けた長官室には、十字架や聖母マリア像などカトリックのシンボルが置かれていた。

 サナブリア氏は過去50年にわたる国内紛争において、警察が悪魔払いなどの宗教的行為に助けられてきたと指摘。例として、1993年に麻薬王パブロ・エスコバル(Pablo Escobar)が、2011年に左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)のアルフォンソ・カノ(Alfonso Cano)最高司令官が、当局の作戦中に殺害されたことを挙げた。

 サナブリア氏は「悪魔は明らかに存在した。私は悪魔を見て、感じた」と話した。同氏は悪魔と口にするたびに十字を切っていた。

 犯罪者らは魔術を使うとし、ある作戦では警官が「祈りながら発砲した」ため、犯罪者を殺害できたとも主張した。

 この発言を受け、ソーシャルメディアでは激しい論争が巻き起こっている。コロンビアはカトリック教徒が多数を占めるが、世俗主義だ。

 グスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)大統領はサナブリア氏の発言について、問題ないとの見方を示した。

「長官の信仰は知っているが、われわれはこうした信仰が法律に影響しないよう注意している。それだけだ」とし、サナブリア氏は法律を順守していると述べた。(c)AFP