【3月27日 AFP】フランス南西部サントソリーヌ(Sainte-Soline)で25日、農業用の貯水池建設に反対するデモが起き、警察との衝突で参加者の男性(30)が頭部に重傷を負った。検察官が26日、明らかにした。

 この男性のほか、顔にけがを負った女性(19)と脚を骨折した男性(27)が病院に搬送された。衝突の経緯について捜査が行われているという。

 サントソリーヌでの貯水池建設は、農業従事者400人から成る団体が計画している。夏季の水道水の使用量を大幅削減するのが狙いで、全国に計16か所の貯水池を建設するプロジェクトの一環。

 冬季に地表水をため、降水量が少ない夏季にかんがい用水として使用するとしている。サントソリーヌの貯水池はプロジェクトの2か所目で、容量は65万立方メートル。

 反対派は、「大規模貯水池」は穀物を輸出する大規模農場が利用するためのものだと指摘。干ばつ時の地元住民の水利用が阻害されると主張している。

 当局によると、デモには6000人が参加した。主催者側は3万人としている。

 AFPは、貯水池の建設現場で一部の過激な参加者と警察が衝突し、即席の爆発物が投げられる様子などを目撃した。警察はこれに対し、催涙ガスや放水銃、ゴム弾を使用した。(c)AFP