【3月25日 AFP】ボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア系地域「セルビア人共和国」のミロラド・ドディク(Milorad Dodik)大統領は23日夜、性的少数者(LGBTQ)団体に対して学校への立ち入りを禁止する方針を明らかにした。

 ドディク氏は現地放送局に対し、「スルプスカ共和国(セルビア人共和国)では数か月以内に、LGBTQ団体のメンバーが教育機関に近づくのを禁止する法律が可決される見通しだ」と語った。幼稚園から大学までの教育機関に接近することも、活動することも、プロパガンダを広めることもできなくなるという。

 セルビア人共和国では、保守系団体や地元のサッカーファングループの圧力を受け、警察が地元LGBTQコミュニティーに関するドキュメンタリー映画の上映を禁止。その後、上映会場近くでフードをかぶった男たちがLGBTQ活動家を襲撃し、3人が負傷した。

 活動家によると、襲撃は警察官の目の前で起きた。警察は事前に、安全は保証できないと伝えていたとされる。

 ドディク氏はこのイベントに反対を表明し、警察が阻止するのを期待していると述べる一方で、同性愛者が「他者に嫌がらせをしている」と非難していた。

 ボスニアでは2019年に初めて首都サラエボで性的少数者によるプライドパレードが開催されたが、同性愛嫌悪が根強い。(c)AFP