【3月25日 AFP】フィギュアスケート世界選手権(ISU World Figure Skating Championships 2023)に出場しているアイスダンス米代表のマディソン・チョーク(Madison Chock)/エヴァン・ベイツ(Evan Bates)組は24日、北京冬季五輪から1年以上が経過した現在もチームとして団体のメダル授与を待っているとし、「かげがえのない」瞬間を逃した心痛を語った。

 北京五輪のフィギュアスケート団体ではロシア五輪委員会(ROC)が優勝し、米国が2位、日本が3位に入った。しかし翌日、ROCのカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva)が2021年12月の検査で禁止薬物に陽性反応を示していたことが明らかになり、メダル授与式は行われなかった。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、ワリエワの件が調査されている間はメダルを授与しないことに決定。五輪史上前代未聞の出来事となった。

 ベイツは1年以上経過した今も問題が解決していないことに「全員にとって未知の領域だ」とし、「一番がっかりしているのは、あの瞬間が消え去ってしまったことだ。あれはかけがえのない瞬間だ」と語った。

「自分たちの責任ではないのに、メダルなしで大会を去ることになった。だけど、米代表チームとこの12か月間における自分たちの振るまいを心から誇りに思っている」

 一方、チョークは今回の世界選手権で「素晴らしいメダルを獲得して、メダルの穴を埋められる」よう願っていると話した。(c)AFP