【3月24日 AFP】世界保健機関(WHO)は23日、感染症のパンデミック(世界的な大流行)が発生した場合の対応に関する「パンデミック条約」の創設について、実業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏が「WHOに権限を譲るべきではない」とツイッター(Twitter)に投稿したことに対し、「フェイクニュース」だと警告した。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は記者会見で「(パンデミック条約が)WHOへの権限移譲だという主張は虚偽に他ならない。フェイクニュースだ。条約の内容を決めるのは各国だ」と述べた。

 テドロス氏は会見でマスク氏の名前を挙げなかったが、23日にツイッターで「各国がWHOに権限を譲るものではない」と反論。「パンデミック条約は主権のありかを変えるものではなく、各国がより適切にパンデミック対処できるようにし、富裕国か貧困国かに関係なく、すべての人を守れるよう支援するものだ」と主張した。

 この条約は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックのような国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に直面した際、各国間の迅速な情報交換を促進し、新型コロナ危機で起きたようなワクチン供給の偏りを防ぐ目的がある。WHOは2024年5月の総会での採決を目指している。(c)AFP