【3月24日 People’s Daily】2015年、中国の人的資源・社会保障部(省)は、「国家職業分類大典」を改訂し、環境保全、低炭素、循環特性を持つ職業活動について研究分析を行い、「グリーン職業」として社会的に認知度が高く、顕著なグリーンな特徴を持つ一部の職業を指定した。2022年に新たに改訂された「国家職業分類大典」では、グリーン職業が134種類指定され、全職業数の約8%を占める。

 福建省(Fujian)福州市長楽力興機電設備器材有限公司では、「この企業の1万元(約19万円)の生産価値あたりの炭素排出量は、5年前と比較して35%減少しており、さらに減少の余地がある。我々は引き続きミスを直し、漏れを補い、改善案を出す必要がある」。田月英(Tian Yueying)さんはこの企業を6年連続で追跡サポートしている。

 田月英さんが従事するのは「炭素排出管理員」であり、2022年に新たに収録されたグリーン職業の一つだ。「地元の環境保護基準に準拠した上で、企業の生産能力最適化の提案を行うことが、炭素排出管理員の業務の重点だ」と、田月英さんは述べた。

 2004年に設立された力興機電は、長年にわたって金属部品製造や電気めっき技術を主な事業としており、多くのエネルギー消費と汚染を引き起こしていた。そのような力興機電の状況に対し、田月英さんはチームを率いて「リチウムイオン電池の回収と段階的な利用の開拓」を提案し、同社の既存の技術優位性を利用し、回収された廃棄リチウムイオン電池の炭素削減量を企業の他の生産環境に合理的に組み込み、炭素排出オフセットを実施した。「これにより、収益源を増やし、炭素排出指標目標を達成し、効率的な増益が可能になった」と、企業責任者の李俊彪 (Li Junbiao)さんは述べる。

 2022年9月、中国初の県レベルの海洋カーボンシンク取引サービスプラットフォームである福州連江カーボンシンク取引サービスプラットフォームが立ち上げられ、連江県公共資源取引サービスセンターの責任者である黄齊明(Huang Qiming)さんは、カーボンシンク取引師としての役割を担うようになり、カーボンシンク取引の仲介や政策の説明、登録処理などを行っている。

 第三者による計算によると、連江県の海水養殖によるカーボンシンクの量は年間約40万トンで、取引可能なカーボンシンクの経済的価値は9億6000万元(約184億円)に達している。「カーボンシンク取引師として、グリーン発展の利益の共有のために尽力することが大切だ」と、黄齊明さんは述べている。

 統計によると、福建省厦門市(アモイ、Xiamen)は、市内の都市部と農村部のごみの分別を完全にカバーし、市民のごみの分別参加率は97%を超え、ごみの回収利用率は43%を超えている。「再生可能資源回収管理業界には大きな可能性がある。業界の指導を強化し、より多くの企業や個人の積極的な参加を奨励する」と、アモイ市生活ごみ分別作業リーダーシップグループ弁公室の関係者は述べている。(c)People’s Daily/AFPBB News