【3月22日 AFP】ベラルーシ出身の女子テニス選手アリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka)が21日、女子ツアーの控室で経験がないほどの「憎しみ」を向けられていると明かし、ウクライナの選手との張り詰めた関係がほぐれることを願った。

 マイアミ・オープン(Miami Open 2023)に向けた取材に応じた全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2023)女王のサバレンカは、控室ではウクライナの選手と、ロシアとベラルーシの選手との間に「緊張」があるという先日の自身のコメントについて質問されると、「本当にとてもつらい。ロッカールームであれほどの憎しみを向けられた経験はない」と明かした。

 さらにサバレンカは、「もちろん、試合に負けたときにはインスタグラム(Instagram)に憎しみのコメントがたくさん届くけど、ロッカールームでは初めて」と続け、「すごく多くの人が、理由もなく私を憎んでいるというのは本当につらい。理由もなくというのは、私が何かしたわけではないということ」と話した。

 そうした緊張は、ぎこちない沈黙や素っ気ない会話のレベルを超えたものになることもあるといい、「けんかとは言わないけど、選手ではなく選手のチームメンバーと変な会話をしたことはある。本当につらい時期が続いている。だけど、今はだんだんよくなっている」とコメントした。

 準優勝したBNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2023)でサバレンカは、ウクライナ出身のレシヤ・ツレンコ(Lesia Tsurenko)のコーチと言い争いになったことを明かしている。

 ツレンコはサバレンカと対戦予定だったが、試合を棄権。理由については直前に「パニックに襲われ」、またロシアによるウクライナ侵攻や、ロシアとベラルーシの選手の立ち位置について女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)と話をし、気が動転したと告白している。

 ロシアとベラルーシの選手は、昨年はウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)出場を禁止されたが、サバレンカは、今年の大会では方針が変わることを期待している。

「(昨年の)あの決定は本当に悲しかったけど、私にどうこうできることじゃない。だから今年はプレーさせてもらえることを心から願っている」 (c)AFP