【3月21日 AFP】国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は20日、産業革命前からの世界の気温上昇幅が2030~35年の間に1.5度に達すると予測する報告書を公表した。地球温暖化は従来の想定よりも速いペースで進んでおり、近い将来、深刻な影響をもたらす恐れがあると警告している。

 各国は「パリ協定(Paris Agreement)」に基づき、世界の気温上昇を1.5度以内に抑えることを目指している。国連のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は今回の報告書を「人類のサバイバルガイド」と呼び、先進国に対し、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現目標をこれまでの2050年から2040年に前倒しするよう呼び掛けた。

 スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんはAFPに対し、「権力者が今も現実逃避し、誤った方向へ積極的に進んでいるという事実はいずれ、前例のない裏切りと受け止められることになるだろう」と述べ、各国の対策の遅れを批判した。(c)AFP