昼食のために移動する職員ら(c)NEWSIS
昼食のために移動する職員ら(c)NEWSIS

【03月20日 KOREA WAVE】韓国で新型コロナウイルスの流行によって在宅勤務を導入した多くの会社が出勤制に転換しつつあることに、社員らから不満の声が出ている。会社側は在宅勤務の長期化で業務効率が低下しているとの立場だが、その根拠は示されておらず、当初約束した勤務環境とも違うという反論もある。

国内IT大手の開発者(36)は「会社が在宅勤務を維持すると言うので子供の幼稚園に合わせて引っ越した。私以外にも同じような人がおり相当当惑している」と伝えた。「多数の社員が抗議し、会社は事情により追加で1カ月間在宅を延長できるようにしたが、困っていることに変わりはない」と吐露した。

ある宿泊プラットフォーム業者の従業員(33)も「新入社員の中には常時在宅勤務と聞いて入ってきた人が多い。年俸交渉をする時も経営陣が在宅勤務を前面に出していただけに突然の制度変化は『福祉縮小』と感じられる」と話した。

同社には江原道束草、慶尚南道泗川、世宗市など地方に移住した社員がおり、会社員オンラインコミュニティー「ブラインド」では「就職詐欺ではないか」などといった反応が続いている。

多くの会社は出勤制に転換する理由に「業務効率の低下」を挙げているが、IT大企業の開発者(37)は「メッセンジャーで直ちに連絡をやりとりすることにも慣れてコラボツール使用も活性化され、むしろ業務効率が上がった」と反論した。別のIT大企業開発者(33)も「在宅勤務で仕事と休息の区分がなくなり、むしろ生産性はアップした」と指摘する。

コロナ特需が消えて経営実績が悪化が背景にあるとの指摘もあり、この開発者は「実績不振の理由を在宅勤務のせいにしたいだけだ」とぶちまけた。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News