【3月20日 People’s Daily】近頃、浙江省(Zhejiang)新塘辺鎮(Xintangbian)の毛村・山頭村でロッククライミング大会が開催された。人口壁やカラフルなボルダリングホールド、安全装置は、村民に挑戦してみたい気持ちを引き起こしただけでなく、村外から帰ってきた人々の目にも鮮やかに写った。登る速さや技術は専門の選手に及ぶべくもないが、地元でロッククライミング大会に参加できることは彼らにとって、健康のための運動というだけでなく、「上へ上へと昇っていく」幸運探しの象徴だったのだ。

 現在、中国では国民健康戦略が浸透するにつれて、健康のための運動は農村でも日に日に普通のものとなってきた。中国は非常に大きな農民層を擁し、生活水準が上がり続ける中、農民の運動文化に対するニーズも高まってきている。中国各地の農村には急ピッチで運動施設の公共インフラネットワークが完備されつつあり、利用率も向上の一途をたどる。

 昨年発表された「14次5か年計画における農民体育の質の高い発展に関する指導意見」では、農村における公共運動施設の不足を速やかに補い、5000以上の自治体で住民の運動設備を整える必要があるという。2025年までに、農村住民の1人あたり運動場面積を全国平均水準に近づけることを目指す。同時に、一定以上の行政区上の農村や農民社区では、毎年1回以上のスポーツイベントを行い、農民の自発的組織による趣味のスポーツ活動をサポートすることを表明した。

 春、甘粛省(Gansu)平涼市(Pingliang)李河村では何年も歴史を積み重ねたバスケットボールの友好試合が今年も行われた。試合状況は刻々と変わり、選手たちは心ゆくまで闘った。観客の完成は絶えず、人々は観戦を堪能した。平涼市ではバスケットボールの他にも、各小都市に龍舞・獅子舞・社火(旧正月の伝統的行事)・伝統舞踊などを手配し、民俗文化的な要素がある運動にも力を入れている。

 これだけでなく、スポーツ産業と飲食・旅行・文化・教育などの産業とを融合させ、農村の発展との相互効果を狙うという。

 江蘇省(Jiangsu)徐州市(Xuzhou)沛県八堡村では、独自のサッカーカップを3年間行っており、多くのサッカー愛好家の注目を集めている。河北省(Hebei)張家口市(Zhangjiakou)玉狗梁村では、村民の体力強化にヨガを取り入れ、老人の多い村に新しい風を吹き込み、少なからぬ人々が「農村ヨガ」の魅力に触れるために訪れている。スポーツが人気を集めることでその村の良さが引き出され、しだいに村に新しい名刺が作られていく事例が各地でみられる。

 現在、中国社会は農村での体育を徐々に重視しはじめており、体育設備が整えられるにつれ、ますます多くのスポーツプロジェクトが定着するようになり、徐々にブランド効果が現れはじめ、地域の発展につながってきた。将来的には、農村でスポーツと伝統行事・地元の習俗・農産物の販売・文化的旅行などの活動が融合を深めるに伴って、農村の発展にさらなるチャンスがもたらされることが期待される。(c)People’s Daily/AFPBB News