【3月21日 Xinhua News】中国科学院傘下の空天信息創新研究院は16日、石玉勝(Wang Yusheng)副研究員が率いるチームが火災による炭素排出が地球大気の二酸化炭素(CO2)濃度にどの程度の影響を与えるかについて研究を行った結果、年平均2・4ppm(ppmは100万分の1)とCO2濃度の年平均純増量を上回り、地球の気候変動への影響が顕著であることが分かったと発表した。

 研究チームは大気伝送模型を使ったシミュレーションで、火災による炭素排出のCO2濃度への影響を数値化し、地上観測と衛星データを合わせて検証することで、シミュレーションの精度を大きく高めた。影響は季節によって変化し、影響への感度は地域によって異なることも分かった。

 石氏は、CO2の時空間的な分布と動態変化に大きく影響する火災の炭素排出を数値化することは地球と地域の炭素収支の均衡を明らかにする前提となると指摘。今回の研究によって、影響の精密な数値化に新たなルートと方法が提供され、バイオマス燃焼の制御に科学的な根拠が示されたことで、対象を絞った温室効果ガス排出削減の推進に貢献すると語った。

 研究成果は国際学術誌「サイエンス・オブ・ザ・トータル・エンバイロメント」(電子版)に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News