【3月19日 CGTN Japanese】中国初の量子チップ保存用高真空ストレージボックスが開発され、このほど中国初の量子チップ生産ラインで使用が開始されました。

 量子チップは量子コンピューターのコア部品で、従来の集積回路チップと異なり、システム生産プロセスが複雑で、環境の温度、清潔度、ノイズ、振動、電磁波、微小不純物粒子などが量子チップに影響を与えます。量子チップに含まれる超伝導材料は環境に対する感度が高く、大気中の酸素や水分子と化学反応を起こしやすいため、適切に保存しなければ使えなくなります。

 中国東部にある安徽省量子コンピューティング工学研究センターの研究チームが高真空ストレージ技術を採用し、独自に開発した量子チップ高真空ストレージボックスは、量子チップに高真空の保存環境を提供することができ、量子チップの「冷蔵庫」の役割を果たします。研究開発者は保存スペースの室内圧力を調整することで量子チップの「鮮度を保つ」ことができ、効用は失われません。

 ストレージボックスの3つの保存スペースはいずれも独立して操作できます。同時にリアルタイムで真空度をモニタリングできるスマートモニタリングシステムを搭載し、安定した高真空保存環境を確保しています。保存スペースから量子チップを取り出す時は「開」ボタンを押すだけでよく、スマートモニタリングシステムは保存スペースのリアルタイムの作業進捗状況を提示し、約45秒後に保存スペース内外の圧力のバランスが取れた後にチップを取り出すことができます。チップを取り出してケースを閉じ、スタートボタンを押せば、全自動で保存スペース内の「真空排気」操作を完了できます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News