【3月17日 AFP】世界の女性科学者の約半数が、職場でセクハラ被害に遭ったことがあるとの調査結果が16日、公表された。

 調査はフランスに拠点を置く市場調査会社イプソス(Ipsos)が、ロレアル財団(L'Oreal Foundation)の依頼で実施した。世界117か国の公立または私立機関50か所以上で働く5000人超を対象に、昨年7月26日から9月12日にかけて実施された。科学、技術、工学、数学などの分野で働く科学者らが回答した。

 それによると、回答者の49%が「少なくとも1回セクハラ被害に遭ったことがある」と答えた。被害のうち、半数近くが2017年のセクハラ告発運動「#MeToo(私も)」の後に起こったとしている。

 セクハラがキャリアに悪影響を及ぼしているとの回答は65%に上った。職場に被害を届け出たのは、20%にとどまった。

 回答者の4分の1が、自分のことを女の子、お人形さん、かわいこちゃんなど不適切に繰り返し呼ばれたり侮辱されたりしたと答えた。

 また、「私生活や性生活に関する踏み込んだ質問を繰り返しされ、不快に感じたことがある」との回答も24%に上った。

 セクハラの大半は、女性科学者のキャリア開始時に起こっていたことも分かった。

 職場の特定の人を避けたことがあるとの回答は約50%、職場は安全ではないと感じたことがあるという回答は20%に上った。

 回答者の約65%が、職場での性差別やセクハラへの対抗措置が十分に取られていないとしている。

 ロレアル財団によると、世界の科学者のうち、女性が占める割合は33%にすぎず、科学分野のノーベル賞(Nobel Prize)受賞者だとわずか4%にとどまる。

 同財団のアレクサンドラ・パルト(Alexandra Palt)最高経営責任者(CEO)は「研究分野で女性に力を十分に発揮してもらうには、女性が安心だと感じられなくてはならない」とコメントした。(c)AFP