【3月16日 CNS】中国の酒造会社や専門家たちが海南省(Hainan)海口市(Haikou)に集まり、中国の伝統酒「白酒」の未来を話し合った。中でも、白酒をどのように海外に販売するかは大きなテーマだった。

 統計によると、世界のアルコール市場は2021年に1兆1700億ドル(約155兆円)に達したと予測されている。蒸留酒の売り上げも今後、数年間増加し続けると予想されている。一方、2021年の白酒の生産量は世界の蒸留酒生産量の半分近くを占めたが、中国から海外に輸出されたのは、そのうちの0.22%にすぎなかった。白酒の海外市場は、まだ大きな可能性があると考えられている。

 山西杏花村汾酒集団(Shanxi Xinghuacun Fenjiu)のチーフエコノミストの張春生(Zhang Chunsheng)氏は「近年、白酒の国際化は進んでいるが、ブランデー、ウイスキー、ウオッカなどの蒸留酒と比べると、まだ大きな距離がある」と指摘する。

 陕西西鳳酒(Shaanxi Xifeng Liquor)の賈智勇(Jia Zhiyong)副会長は「白酒を海外に販売していくためには、職人の技を維持しながら、さまざまな国際基準に合格する必要がある」と考えている。

 モルドバの中国駐在大使ドゥミトル・ベラキシ(Dumitru Belakish)氏は「中華料理店は世界中にある。白酒を中国料理と一緒に宣伝すればいい」と提案する。

 瀘州老窖(Luzhou Laojiao)の沈才洪(Shen Caihong)副社長は、四川省(Sichuan)の瀘州市(Luzhou)など世界クラスの蒸留酒生産地域の地名を挙げて、高品質の酒造グループを作り、中国の酒の影響を広げていくことを提案した。

 前出の山西杏花村汾酒の張春生氏は、白酒を海外に売り出すには「古代のシルクロードを参考にするべきだ」と提案した。古代のシルクロードには陸と海のルートがあるが、現在、海のシルクロードの拠点である海南島には自由貿易港が建設されており、地理的な優位性が際立っているとして、海南島から白酒の販路を海外に伸ばしていくプランを提唱した。

 海南自由貿易港は、2025年末までに税関を閉鎖することを目指している。中国国際貿易促進委員会の海南省委員会と中国国際商会海南商会の王玉淵(Wang Yuyuan)副会長は、「海南自由貿易港の独自の政策が酒類産業の資金を引き寄せ、近く海口市で開催される中国国際消費財博覧会に酒造会社が参加することを歓迎する」と述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News