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【03月16日 KOREA WAVE】韓国国内で子供の心臓手術ができる病院は10カ所未満しかなく、このうち済州島で実際に救急心臓手術が可能なところは1カ所しかないことが、大韓心臓血管胸部外科学会への取材でわかった。小児・地域の胸部外科診療システムはすでに崩壊状態との指摘もある。

子供の心臓手術病院が少ないのは、業務の大変さに比して報酬が少ないうえ、医療訴訟の危険性が大きいからだ。

ソウル大学病院小児胸部外科のキム・ウンハン教授は昨年9月、国会の討論会で「韓国では患者が死ぬと無条件訴訟に進む。子供は平均余命が長いため賠償額は10億~20億ウォン(1ウォン=約0.1円)に上るため、病院長らも子供の心臓手術を敬遠することになる」と述べた。

済州道は心臓手術インフラが不備な代表的な地域だ。胸部外科は患者の生命と直結する高難度の手術が多く、熟練した胸部外科専門医はもちろん、先端装備と施設、麻酔科や心臓内科の専門医らスタッフが必要になる。

江北サムスン病院胸部外科のチョン・ウィソク教授は「済州道南部には心臓手術のできる病院が1カ所もないため患者のほとんどは病院に行けず死亡する。しかし統計上は、済州道南部には心臓手術が必要な患者は発生していないと集計される」と指摘した。

結局、地域病院では手術件数が少ないため韓国政府の投資が減り、医療の質が低下し、ソウルの大型病院への患者離脱が加速し、医療の質が再び低下するという悪循環が繰り返されている。

しかし、政府のインフラ拡充支援は非常に不足している。心臓手術法の発展にもかかわらず、実施されている手術の半分程度は手術報酬が全くない。チョン教授は「例えば子供の心臓手術報酬体系がない。政府が先月末に出した小児医療体系改善対策を見ると、小児胸部外科に対する支援策は一つもない」と指摘した。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News