【3月16日 People’s Daily】国連や国際通貨基金(IMF)などは最近、「2023年は世界経済への下押し圧力が強まり、景気後退のリスクが高まっている」と指摘している。欧米などの主要経済国による金融引き締め政策、地政学的緊張の高まり、食糧難・エネルギー危機など多くの要因が挙げられる。

 ポストコロナ期における長期的な経済回復を果たすため、主要経済国はマクロ政策を強化し、開放経済を堅持していく必要がある。

 インフレ防止と経済成長のバランスを取ることは、世界経済が直面する重要な課題だ。米国や欧州の先進国でインフレはほとんど改善されず、金融引き締め政策を継続していることで景気後退のリスクが高まっている。IMFは「今年の世界経済の成長率低下は主に先進国によるものであり、成長率は2022年の2.7%から2023年は1.2%に急激に低下する」と予想している。先進国でデフレが続くと、新興市場国や発展途上国の債務問題や金融リスクが悪化する恐れがある。

 世界経済が直面しているもう一つの大きな課題は、各国の一国主義と保護主義的な政策の高まりだ。IMFは、世界貿易が深刻な分断に陥った場合、長期的には世界の国内総生産(GDP)の7%が損なわれ、技術も分断化された場合、一部の国の損失は最大12%に達すると分析している。IMFのゲオルギエバ専務理事は「経済統合によって何十億もの人々がより豊かになり、より健康になり、より良い教育を受けられる。平和と協力による配当を無駄にしてはならない」と訴えている。

 米国の元財務長官のヘンリー・ポールソン氏は最近、「2008年の国際金融危機で、世界が新たな大恐慌に陥らなかったのは、主要国の協調とG20のメカニズムが発揮されたからだ」と指摘。国際社会の協調を強化することによってのみ、世界経済はリスクへの抵抗力を高めることができる。

 インフレ管理の問題は、国際協力の促進により需要と供給の両面で改善する必要がある。同時に、産業サプライチェーンの修復、食料・エネルギーの安全保障を重視しなければならない。インフレを制御する過程で、先進国は金融政策調整の負の波及効果を軽減し、国際金融を安定させる必要がある。

 世界経済の歴史において、「危険」と「機会」は常に表裏一体だ。 各国がさまざまなリスクに効果的に対処しつつ、経済のグローバル化を進めることが求められている。世界経済をより回復させるため、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」や気候変動に関する国際協力を促進・強化するべきだ。世界第2位の経済大国である中国の経済は急速に回復しており、世界経済にエネルギーを注入し続けている。すべての当事者は互いを信頼し、手を取り合って世界経済を正しい軌道にリードしていく必要がある。(c)People’s Daily/AFPBB News