【3月16日 AFP】中米ホンジュラスのエドゥアルド・レイナ(Eduardo Reina)外相は15日、中国との国交樹立に舵を切ったのは経済的な必要性からで、台湾に援助金の増額を求めたが拒否された経緯があると明らかにした。

 シオマラ・カストロ(Xiomara Castro)大統領は14日、中国と「正式な外交関係を結ぶ」ようレイナ氏に指示したと発表した。

 ホンジュラスは台湾と80年以上にわたり外交関係を続けている。しかし、中国は「一つの中国」原則の下、中台同時に国交を結ぶことを認めていない。

 レイナ氏は現地テレビ局カナル5(Canal 5)に語ったところによると、ホンジュラスは台湾に対し、年間5000万ドル(約67億円)の援助の倍増と、6億ドル(約800億円)の債務の「再調整」を求めたが、前向きな回答を得られなかった。

 ホンジュラスは中南米の最貧困国の一つで、人口約1000万人の74%近くが貧困状態にある。

 レイナ氏は、エネルギー、社会政策、債務返済のための資金を必要としており、「国が破綻しかけている」と述べた。対外・対内債務は200億ドル(2兆6700億円)に上り、返済額は昨年の22億ドル(2940億円)に続き、今年は23億ドル(3080億円)となる見込みだという。

 レイナ氏は「世界の171か国が中国と国交を結んでいる」とし、ホンジュラスも経済的な現実から「同じ決断をせざるを得ない」と述べた。(c)AFP