【3月16日 AFP】中米エルサルバドルの中部テコルカ(Tecoluca)に完成した「米州最大」の刑務所「テロリスト拘禁センター(CECOT)」に15日、第2陣の受刑者2000人が移送された。

 ナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領が公開した動画には、白い短パン1枚しか身に着けていないはだしの受刑者たちがうなだれ、後ろ手に手錠をかけられ、急ぎ足でバスに乗せられる様子が映っていた。受刑者の多くは体中に入れ墨を入れていた。

 レネ・フランシス・メリノ(Rene Francis Merino)国防相によると、夜明けに始まった移送には兵士1200人、空軍のヘリコプター3機が投入された。

 ブケレ氏は昨年3月、ギャング間の抗争に絡む殺人の急増を受け、非常事態を宣言して令状なしでの逮捕を可能にするなど、「ギャング撲滅戦争」を展開。これまでにギャング構成員6万5000人を拘束した。その一部を収容するため、首都サンサルバドルの南東約75キロの場所にCECOTを新設。先月、第1陣として2000人を移送した。

 CECOTに32ある雑居房はそれぞれ約100平方メートルの広さがあり、100人以上を収容できる設計になっているが、洗面台とトイレは2か所ずつ、金属製の寝台は80人分しかなくマットレスもない。人権団体からは拘禁基準に違反しているとの批判が上がっている。(c)AFP