【3月15日 AFP】フランス・パリ中心部で14日、ロシア語で監房を意味する言葉が大きな赤字で書かれたコンクリート製の箱が一般公開された。ロシアの反体制派アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏が収監されている独房を模したもので、同氏が置かれている窮状を知ってもらおうと支持者が設置した。

 ルーブル美術館(Louvre Museum)のすぐ裏に置かれたこの灰色の薄暗い箱の中には、小さな流しと便器のほか、日中は収納が可能な簡易ベッドがある。

 ナワリヌイ氏には横領などの罪で懲役9年が科されている。これについて支持者は、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)政権を批判した罰とみている。ナワリヌイ氏は過去半年のうち100日以上を、この箱のような独房で過ごしてきた。

 来場者の一人は、ナワリヌイ氏は「動物のようにおりの中に」閉じ込められていると語った。また昨年ロシアを出国したという反体制派の活動家は、「われわれが耐え忍ぶべきではない生活だ」と指摘した。

 箱の側面には、「ナワリヌイを出してプーチンを入れろ!」という支持者が書いたメッセージも見える。

 米ハリウッドでは、ナワリヌイ氏に関する映画がアカデミー賞(Academy Awards)を受賞したばかり。支持者によると、ナワリヌイ氏の警備があまりに厳重で、同氏が受賞を把握しているかどうか不明だという。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO