【3月15日 AFP】ウクライナ東部の激戦地バフムート(Bakhmut)に近いチャシウヤール(Chasiv Yar)で14日、ロシア軍の陣地の方から無人地帯に向かって白リン弾が発射されるのをAFP取材班が目撃した。

 同日午後4時45分(日本時間同11時45分)ごろ、5分間隔で2回にわたり白リン弾が発射された。現場は、チャシウヤール南部からバフムートに続く道路。

 口笛のような音が鳴って爆発があり、その後燃焼する白リンが多数の小さな火の玉となってゆっくりと地面に落下した。これにより道路の両側の草木が燃え、サッカー場ほどの面積が焼けた。

 AFPは、標的となったのがウクライナ軍の陣地かどうかは確認できていない。だが焼けた現場の道路脇には、ウクライナ軍の識別マークである白十字が付いた緑色のトラックが止められていた。

 延焼した土地から約200メートル先には複数の民家もあった。

 白リン弾は民間人への使用が禁止されている焼夷(しょうい)兵器だが、1980年の特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)では、軍事目標に対する使用は認められている。

 ウクライナ政府は、ロシア軍が侵攻開始後、民間人に対しても白リン弾を複数回使用したと非難しているが、ロシア側はこれを断固否定している。(c)AFP