ナイジェリア貧困街から英国へ、プロバレエダンサー目指す少年
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【3月15日 AFP】英国でプロのバレエダンサーを目指すナイジェリア出身のアンソニー・マドゥ(Anthony Madu)さん(13)が14日、カミラ王妃(Queen Consort Camilla)と面会した。貧しい少年が、動画が拡散されたことで世界的に有名になり、英国のバレエ教室に通うことになったというマドゥさんの物語は、米ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Company)がドキュメンタリーを制作中だ。
ナイジェリア・ラゴス(Lagos)から渡英して2年。マドゥさんは現在、イングランド中部バーミンガム(Birmingham)のエルムハースト・バレエ・スクール(Elmhurst Ballet School)で学んでいる。
マドゥさんは2020年、雨が降る中でピルエットをする44秒の動画が拡散し、数百万回再生された。これをきっかけに奨学金の申し出を受けた。マドゥさんは当時、ラゴスの貧困地区、アジャンバディ(Ajangbadi)にあるバレエ教室「リープ・オブ・ダンス・アカデミー(Leap of Dance Academy)」に通っていた。
メディアはマドゥさんを、2000年の映画『リトル・ダンサー(Billy Elliot)』にちなみ、「ナイジェリアのリトル・ダンサー」と呼んだ。同作はイングランド北部の炭鉱で働く父を持つ少年が、英ロイヤル・バレエ団(The Royal Ballet)に入団する物語。
ディズニーは昨年9月、マドゥさんがラゴスから英国に渡るまでの過程をドキュメンタリー作品として制作すると発表した。
カミラ王妃はエルムハースト・バレエ・スクール100周年記念行事の一環で、同校を訪れた。マドゥさんにダンスの面白さを尋ねた後、「幸運を祈ります」と述べた。
マドゥさんは報道陣に対し、「ダンスは順調だ。心から楽しんでいる」と語った。英国での生活や気候にも慣れたという。
「誰もが夢を追い、決してあきらめないよう、私の体験が刺激になればと思う」 (c)AFP