【3月14日 AFP】米国と英国、オーストラリアの首脳は13日、米サンディエゴ(San Diego)で会談し、3か国の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を通じて豪州が米原子力潜水艦を導入する計画で合意したと発表した。これを受けて中国は、3か国が「誤った危険な道」に歩を進めていると警告した。

 豪州は同日、米原潜を最大5隻購入し、さらに米英の技術を用いて新型原潜を建造すると発表。中国が台頭する中、アジア太平洋地域で米英豪の影響力強化を目指す野心的な計画だ。

 米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、豪州が核兵器を保有することはないと強調しているが、豪州は原潜導入により、中国の軍備拡張を阻止しようとする米主導の取り組みの最前線に立つことになる。

 これについて中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は14日の記者会見で、「米英豪が自国の地政学的利益のために国際社会の懸念を完全に無視し、誤った危険な道へと歩を進めていることを証明している」との見方を示した。

 さらに、3か国は軍拡競争を駆り立てており、「冷戦(Cold War)期の典型的な思考」だと非難。原潜の配備は「深刻な核拡散リスクとなり、核拡散防止条約(NPT)の目標および目的に反する」と指摘した。

 一方、ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相はテレビ放送されたコメントの中で、「アングロサクソン世界は、オーカスのような枠組みを創設し、北大西洋条約機構(NATO)の軍事インフラをアジアに拡大することにより、長年の対立を招く重大な賭けに出ている」と批判した。(c)AFP