【3月14日 AFP】フランス・パリで、政府の年金制度改革に反対するごみ回収業者らが1週間にわたりストライキを行っており、市内には何千トンものごみの山ができている。パリ市庁舎が12日、明らかにした。

 フランスではエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が打ち出した年金支給開始の年齢を62歳から64歳に引き上げる改革案に反対するデモやストライキが続いている。

 パリ郊外の三つのごみ焼却場でも従業員がストを実施。道路には黒いごみ袋の山ができ、ごみ箱はあふれている。

 家庭ごみの回収を担当するシクトム(Syctom)は、ごみ回収車を地域の他のごみ保管場所や処理施設に向かわせていると説明した。現時点では警察の介入は要請していないという。

 市庁舎職員は先週、市内の半数の地区でごみ回収を行った。ストライキによる影響は5、6、16区など行政区や高級住宅街の一部に出ている。他のエリアはストを行っていない民間企業が回収を担当している。

 左派系強硬派労働組合「労働総同盟(CGT)」によると、ごみ回収員と回収車の運転手の定年は現在57歳だが、年金改革案では59歳まで働かなくては年金はもらえない。比較的若いころから働き始める人が多い職種のため、不公平だと考える人も多い。改革案でも、労働条件が厳しい人は早期退職が認められる。

 CGTは、ごみ回収従事者の平均寿命は全国平均よリ12~17年短いとしている。(c)AFP