【3月14日 AFP】シリアに関する国連(UN)調査委員会は13日、2月に起きた地震で甚大な被害を受けた同国北西部では、政府、反体制派、さらに国際社会や国連自体までもが初動救援の妨げになったと指摘した。

 2011年3月以降のシリアにおける国際人権法違反を調査している同委員会によると、先月6日の地震発生後に戦闘行為の停止が確保されず、災害時に重要視される発生から1週間以内の救命活動に対する支援も進められなかった。

 委員会は声明で「シリアの人々は最も絶望的な状況の時に見捨てられ、無視されたと感じている」と述べ、失敗に関し別途調査するよう要請した。特にバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権は国際支援の受け入れ同意に1週間かかったと指摘。委員のハニー・メガリー(Hanny Megally)氏は、国家主権を脇へ置いても、最初に国際援助が入るべきだったと強調した。

 またパウロ・ピニェイロ(Paulo Pinheiro)委員長はシリアが「放置の震源地」になったと述べ、戦闘中の勢力が「意図的に人道支援を妨害した」複数の疑惑を調査中だと付け加えた。

 同氏は「最も切実な状況にあったシリアの人々に、迅速に救命支援を差し向けることができなかったのは、(シリア)政府および国連を含む国際社会の完全な失敗」だと非難。さらに「理解しがたいことに、われわれが現在調査しているのは、地震被災地での新たな攻撃だ」と述べた。

 メガリー氏によると、砲撃は地震発生後2、3日で再開され、その後も続いている。(c)AFP/Robin MILLARD