【3月13日 AFP】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は13日に公開した報告書で、欧州の2022年の武器輸入が前年比で93%増加したとの分析を発表した。ロシアの侵攻を受けるウクライナへの武器供給が大きな要因となった。

 21年までごくわずかな武器しか輸入していなかったウクライナには、ロシアによる侵攻開始後、無償供与も含めた西側諸国の支援などで前年比60倍以上の武器が流入。カタール、インドに次ぐ世界第3位の武器輸入国となった。

 SIPRIによると、ウクライナだけで欧州の武器移転の31%、世界全体の同8%を占めている。

 欧州では2014年のロシアによるクリミア(Crimea)半島併合以降、軍備増強の機運が高まっていたが、ウクライナの輸入急増でさらに加速した。

 また、SIPRIの過去5年間(2018~22年)のデータをその前の5年間と比較すると、世界全体の武器移転は5%減少したのに対し、欧州の輸入は47%増加している。

 22年については、ウクライナを除外しても前年比35%増となっている。

 SIPRIのピーター・ウェゼマン(Pieter Wezeman)上級研究員はAFPに対し、「ロシアのウクライナ侵攻によって、欧州の武器需要は急増した」とし、欧州諸国は「潜水艦から戦闘機、ドローン(無人機)、対戦車ミサイル、ライフル、レーダーまで」、さまざまな武器を「すでに発注したか、発注を計画している」と説明した。(c)AFP