【3月13日 AFP】ベラルーシは10日、ポーランドが不法移民の侵入を防ぐために設置した国境沿いのフェンスが、ヨーロッパバイソンの脅威となっていると警告した。

 ポーランドは昨年、ロシアの同盟国であるベラルーシからの不法入国を防ぐため、国境沿いにフェンスを設置した。これについてベラルーシ外務省は、ヨーロッパバイソンの自由な移動が妨げられ、遺伝子プールが脅かされると主張している。

 一方、ポーランド外務省の報道官はAFPに対し、ベラルーシは事実を歪曲(わいきょく)し、環境保護問題を欧州への攻撃材料に利用していると指摘。「こうした批判を何か月も前から行っている」と述べた。

 ヨーロッパバイソンは欧州全域に生息していたが、1920年代までに激減。その後、生きている個体が動物園に集められてポーランドで繁殖計画が実施され、1952年に野生に再導入された。国際自然保護連合(IUCN)は、もはや絶滅の脅威はないとしている。

 ポーランドとの国境にまたがる原生林で、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されているビャウォヴィエジャの森(Bialowieza Forest)の昨年の生息数について、ベラルーシは約1万4000頭としている。

 映像はベラルーシ当局が撮影・提供。(c)AFP