【3月12日 AFP】けがのためサッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)を欠場したフランス代表のカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)が、当時を語ったディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督のインタビューでの発言を否定するようなメッセージをSNSに投稿し、指揮官は「嘘つき」だとほのめかした。

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 ベンゼマはW杯開幕前日の昨年11月19日に左太ももを負傷し、直後に代表から離脱。しかしチームが準決勝のモロッコ戦に臨む4日前の12月10日には、所属するスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)で練習に復帰し、フランスがアルゼンチンとの決勝に敗れた翌日に代表引退を表明した。

 当時の状況について、デシャン監督は11日に公開された仏紙パリジャン(Parisien)のインタビューで、「カリム本人が私に、残ったとしても間に合わないと言った」と話し、「チームドクターと一緒に彼の部屋で会った。W杯に懸けていたから、カリムは傷ついていた。『終わった』と彼は言った」と明かした。

「部屋を出る際に、『カリム、焦らないで、チームの監督と一緒に復帰の予定を立ててくれ』と伝えた。朝起きると、彼はもういなくなっていた。それが本人の決断で、私もそれは理解しているし、尊重する」

 しかしベンゼマは、監督の見解を否定するかのように、自身のSNSにデシャン監督の発言のスクリーンショットを貼りつけて「しかし、なんという厚かましさだ」というコメントをピエロの絵文字付きで添えると、さらにフランスの人気インフルエンサーが「お前はうそつき」と繰り返している動画をシェアした。

 ベンゼマとデシャン監督との間にはもともと確執があり、監督は、元チームメートであるマチュー・ヴァルブエナ(Mathieu Valbuena)のセックステープを使った恐喝事件に関与したとして、ベンゼマを5年半にわたって代表から追放した。アルジェリアにルーツを持つベンゼマも、そうした措置を取る指揮官を「人種差別主義者」と呼んだ時期もあった。(c)AFP