【3月11日 AFP】第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場しているチェコ代表チームは、消防士や教師としてフルタイムの仕事を持つ自国育ちのアマチュア選手がほとんどだが、世界的スター選手の大谷翔平(Shohei Ohtani)を擁する強豪・日本との対戦にも少しも怖気づいていない。

 WBC初出場のチェコは現在、東京で1次ラウンド・プールBに臨んでいる。10日の大会初戦では中国を8-5で下して幸先の良いスタートを切ったものの、11日には通算2度の大会制覇を誇る日本との厳しい対戦が待ち受けている。

 日本戦では4万人を超える東京ドーム(Tokyo Dome)の観客が日本を後押しするが、チェコのペテル・ジーマ(Petr Zyma)主将(33)は、チームがそれに動揺することはないと言う。

 母国に野球の「美しさ」を伝えたいというジーマは「日本と対戦してみたかった。彼らが世界最高のチームだからだ」と期待をにじませ、「彼らは2度優勝している。対戦を楽しみにしているし、リラックスして臨みたい。かなり厳しい試合になるだろうが、自分たちがここへ来たのは、勝利や学びのためだ」と語った。

 ジーマは普段はフルタイムの金融トレーダーとして週40時間働き、その合間に練習している。

 いわく、チェコにおいて野球は「人気が25番目くらいのスポーツ」で、国内リーグの観客は少ないという。人口1000万人以上のチェコで登録されている野球人口は約7000人だが、両親の影響で野球にのめり込んだというジーマは、「野球なしの人生なんて考えられない」と話す。