【3月11日 Xinhua News】中国河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)で8日、2022年河南省考古学新発見フォーラムが開かれ、同省三門峡市(Sanmenxia)の陝州城墓地遺跡で実施された古墓570基の発掘調査で、青銅製の古代中国の楽器、編鐘(へんしょう)が計3組出土したことが明らかとなった。同市の成立以来、戦国時代の編鐘が発見されたのは初めて。古墓群の発見は、東周時代の墓地の配置と社会や政治の変化を研究する上で充実した考古学的資料となり、春秋から戦国への過渡期の考古学的な文化研究にとっても豊富な実物資料が提供されたことになる。

 同墓地遺跡は河南省三門峡市の西部に位置し、同市考古研究所が2021年9月から22年9月にかけて発掘調査を実施した。

 春秋戦国、前漢後漢、唐、明・清代などの墓計570基を発掘し、副葬品3千点余りが出土した。うち春秋戦国時代の墓は228基あった。同市文物考古研究所の専門職員、燕飛(えん・ひ)氏は「春秋戦国時代の墓は密集して配置され、規則正しく並んでおり、例外はほとんどない。墓の様式は長方形の竪穴土坑墓が中心で、夫婦併穴合葬墓が多く、職人の墓や西北地区に居住し戎(じゅう)と呼ばれた少数民族の墓なども少数含まれていた。大多数の墓には副葬品が埋葬され、その多くはひつぎの中またはひつぎと椁(かく、ひつぎを納める外箱)の間に納められていた」と説明した。

 燕氏によると、初期の研究では春秋戦国時代の墓から出土した器物のほとんどは、銅の鼎や豆(とう、盛食器)、壺、盤(たらい)、匜(い、水差し)、舟(酒器)、陶鬲(とうれき)などの組み合わせからなり、東周の三晋(韓・魏・趙)文化の様式に沿っていることから、この墓地は戦国時代初期の魏国の公共墓地の可能性があるとみている。うちM379号墓は「四鼎墓」(最高の格式は九鼎)の貴族墓で、今回発見された中で最大。戦国時代の青銅編鐘1組9点と石編磬(へんけい、石板型の打楽器)1組10点を含む副葬品計96点(組)が出土した。

 同墓地群では戎人の墓も発見され、その副葬品からは中原文化への同化傾向が見て取れる。燕氏は「三門峡地域は東西を結ぶ大動脈であるとともに、北方地域と中原地域の重要な交流ルートでもあった。戎人の墓には独自の文化から中原文化へ同化する過程がはっきりと認められ、中国文明の形成過程における民族の融合と発展を探る上で重要な価値がある」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News