【3月10日 AFP】中米ホンジュラス初の女性大統領シオマラ・カストロ(Xiomara Castro)氏は9日、緊急避妊薬(アフターピル)の服用を14年ぶりに解禁した。

 超保守的なホンジュラスは隣国のエルサルバドルやニカラグアと同様、妊娠中絶を全面的に禁止しており、女性の権利擁護団体が緊急避妊薬の解禁を強く求めていた。

 ホンジュラスで緊急避妊薬の服用はかつて認められていたが、2009年にカストロ氏の夫、マヌエル・セラヤ(Manuel Zelaya)前大統領がクーデターで失脚して以降、禁止されていた。

 カストロ氏は「世界保健機関(WHO)は緊急避妊薬について、女性のリプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)の一部であり、中絶ではないと判断している」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 一方、キリスト教系団体は、緊急避妊薬の服用は中絶に等しいと主張し、その他の利権団体と共に解禁に反対していた。

 WHOは緊急避妊薬について、排卵を抑えたり遅らせたりするもので、中絶を誘発するものではないと説明している。避妊手段を取らない性行為の後、5日以内に緊急避妊薬を服用した場合の妊娠阻止率は95%とされる。

 緊急医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」によると、ホンジュラスでは避妊具を入手しにくく、性教育が不十分で、性暴力の発生件数が多いため、10代の妊娠率が高い。

 しかし、レイプで妊娠した場合や母体に危険が及ぶ場合を含め、中絶は全面的に禁止されている。(c)AFP