【3月10日 Xinhua News】中国自動車メーカーのマレーシア進出が加速している。2022年7月にマレーシアに子会社を設立した長城汽車は、11月末に小型電気自動車(EV)「欧拉好猫(ORA Good Cat)」を発売した。

 同社のマレーシア販売子会社の崔安棋(Cui Anqi)総経理はマレーシアに進出した理由について、東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でも非常に重要な市場であり、自動車消費が成熟している一方で新エネルギー車(NEV)市場は競争が少なく、消費高度化に向けた大きな潜在力を持っていると説明。「マレーシアの消費者は品質を重視しており、自動車においても新エネ化やスマート化、差別化のニーズが高い。中国車には強みがある」と語った。

 EV大手の比亜迪(BYD)も22年12月にマレーシア乗用車市場に進出。電動SUV(スポーツタイプ多目的車)「ATTO3」を発売した。マレーシアのザフルル国際貿易産業相は、中国EVのマレーシア乗用車市場進出は同国のEV産業の発展にプラスとなると歓迎の意を示した。

 マレーシア自動車協会(MAA)によると、22年のEV販売台数は2631台で、前年の274台から大幅に増えた。マレーシアは炭素ゼロ排出の実現に向けた重要措置の一つとして新エネ車産業の発展を奨励しており、昨年初めには純電気自動車(BEV)の輸入車と現地生産車に対する一連の税収優遇策を打ち出した。

 ザフルル氏はこのほど、25年までに全国で1万カ所の公共充電施設を設立し、自動車販売に占めるEVの割合を30年に15%、40年に38%まで高める目標を示した。

 崔氏は、マレーシアでは自動車消費の高度化に向けた勢いがますます顕著になっていると指摘。中国の自動車メーカーは充電業務の発展計画と生産計画を進め、政府機関との意思疎通も深めているとし、多方面のパートナーと協力して現地化率の向上と全産業チェーンの発展を促進し、マレーシアの新エネ車産業が迅速かつ質の高い発展を遂げるよう後押ししていきたい考えを示した。(c)Xinhua News/AFPBB News