【3月26日 AFP】深刻な電力不足が続く南アフリカのヨハネスブルクの交通量が多い交差点。停電になり、信号機が消灯すると、どこからともなく安全ベストを着たホームレスの人々がやって来て、交通整理を始める。

 南アフリカは全国で、前例のない停電に見舞われており、製造業だけではなく交通にも影響が出ている。

 だが、ホームレスの人々にとって、電力危機はチャンスだ。

 当初は警察が停電時にやって来て交通整理を行っていたが、停電の範囲が広すぎて対応が追い付かなくなった。そこで、ホームレスの人々が交通整理を始め、運転手からチップを受け取るようになった。

 ジンバブエからの移民のオーブリ・ヌロブさん(31)は、「たとえ少額のチップでも、何とかやっていく助けとなっている」と話す。

 ヨハネスブルク警察の広報担当者は、ホームレスの人々が交通整理を行っていることは認識していると話した。「立派な仕事をしている」としながらも、市はホームレスによる交通整理で発生する事故には一切責任を負わないと強調した。

 同国では毎年、交通事故で数千人が亡くなっている。訓練を受けていないホームレスの人々は交通整理中に事故に遭う危険性が高い。(c)AFP/Zama LUTHULI and Sonwabise DZIDZI