【3月9日 AFP】米国のアブリル・ヘインズ(Avril Haines)国家情報長官は8日、ロシアが年内にウクライナで大きな領土を獲得することはないとの見方を示した。

 ヘインズ氏は上院情報特別委員会の公聴会で、ロシア軍は大きく後退し、多大な損失を被っているとした上で、「同軍が今年、大きな領土を獲得できるほど戦力を回復することはない」との見解を示した。

 それにもかかわらず、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は「十中八九、時間はロシアに味方すると計算している」。プーチン氏は、断続的な休戦を挟みながらウクライナ侵攻を長引かせることが、「ウクライナでロシアの戦略的利益の確保につながる残された最善の道だと考えている可能性が高い」という。

 ヘインズ氏はロシア軍について、米国とその同盟国が科した輸出制限や制裁によって深刻化している兵器不足と兵員の損失によって戦力的に極めて苦しい状況にあると指摘。

 さらに「ロシアが強制動員を行わず、第三国から十分な弾薬供給を受けられなければ、現在の攻勢を維持することさえ困難になるだろう」と指摘。 そうなれば、ロシア軍は現在占領している地域の維持と防衛に全面的に移行する可能性があるという。(c)AFP