霊界への扉開く「アヤワスカ」 エクアドル・アマゾン
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■世界のバランスを整える
コファン・アビエの人々は2018年、政府が鉱山企業に付与した金の採掘権を撤回させる裁判に勝利した。その功績が認められ、ルシタンテさんの息子アレックスさん(30)は昨年、環境分野のノーベル賞(Nobel Prize)とも呼ばれる「ゴールドマン環境賞(Goldman Environmental Prize)」を共同で受賞した。
アレックスさんはアヤワスカの儀式に父の助手として参加し、ギターで歌の伴奏をしている。アヤワスカは5歳のときから飲んでいる。
コファン・アビエの土地と自然を守る闘いは長く困難だったが、「古代の知恵とヤゲの知識からインスピレーションを得た」とアレックスさんは言う。「ヤゲの薬効によって私たちは精霊とつながり、世界のバランスを整えることができる」
アヤワスカの儀式はほとんどの人にとって、激しい嘔吐(おうと)から始まる過酷なものだ。だが、ルシタンテさんは「これは大いなる浄化のようなものだ」と説明する。そうして初めて「現れる」という。
「まず色が見えて、集中するとジャングルが現れ、次に動物たちが見える。川をつかさどるヘビ、ナマズ、狩りをつかさどるジャガー。最後に人や精霊が現れる。でも、誰にでも見えるわけじゃない」
ハンモックで揺れながら、初心者たちは不安げに沈黙し、常連は談笑している。皆、それぞれの「旅」に向かおうとしている。
ルシタンテさんは一人ずつ順番にアヤワスカを勧めていく。そしてAFPの取材班にカメラの電源を切るよう指示した。(c)AFP/Herve BAR