【3月7日 AFP】ロシア軍がウクライナ人捕虜を殺害したとみられる動画がソーシャルメディアで拡散していることを受け、同国のドミトロ・クレバ(Dmytro Kuleba)外相は6日、国際刑事裁判所(ICC)に捜査を要請した。

 クレバ氏はソーシャルメディアの投稿で、「非武装のウクライナ人捕虜が『ウクライナに栄光あれ』と言った後、ロシア軍に虐殺される恐ろしい動画は、この戦争がジェノサイド(集団殺害)であることを示す新たな証拠だ」と主張した。

 同氏は、ICCのカリム・カーン(Karim Khan)主任検察官が「この凶悪な戦争犯罪について即座に捜査を開始することが必須」であり、「加害者は裁きを受けなければならない」と述べた。

 問題の動画では、迷彩服姿の戦闘員が浅い塹壕(ざんごう)の中に立ち、たばこを吸いながら「ウクライナに栄光あれ」と言った瞬間、自動小銃で射殺される。

 この戦闘員についてウクライナ政府関係者やソーシャルメディアユーザーは、ロシア軍に拘束されたウクライナ人捕虜だと主張している。「ウクライナに栄光あれ」という言葉はソーシャルメディアでトレンドとなっている。

 動画は非公式に撮影されたとみられるが、AFPは撮影場所や日時、ウクライナ人捕虜なのかどうかなどを独自に確認することはできなかった。

 ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領も同日夜の演説で、「占領軍に向かって勇敢にも『ウクライナに栄光あれ!』と言った兵士が残酷に殺害される動画」に言及した。

 ロシアによるウクライナ侵攻開始から1年間、両軍は互いに捕虜を殺害されたとして非難の応酬を繰り返している。(c)AFP