【3月7日 AFP】「ブラジル史上最悪の連続殺人犯」と呼ばれたペドロ・ロドリゲス・フィリョ(Pedro Rodrigues Filho)氏(68)が5日、サンパウロ近郊で銃撃され死亡した。当局が7日、明らかにした。襲撃犯らは現場から逃走したという。

 フィリョ氏は、麻薬の密売人や性的暴行犯ら100人以上を殺害したとして、殺人罪で42年間服役。メディアのインタビューで、犯罪者を退治したとする趣旨の発言をして注目を集めた。

「ペドリーニョ・マタドール(殺し屋ペドリーニョ)」の異名で知られた。連続殺人犯としての顔も持つ警官が主人公の米ドラマ「デクスター 警察官は殺人鬼(Dexter)」になぞらえ、「ブラジルのデクスター」とも呼ばれた。

 2018年に釈放された後は、インフルエンサーとして新たな人生を歩み始めた。自身の数奇な人生について語ったり、犯罪に手を染めないよう若者に警告したりして、動画アプリ「Kwai」で25万人以上のフォロワーを獲得していた。

 フィリョ氏と交流のあった犯罪学者のイラナ・カソイ(Ilana Casoy)氏は現地紙フォリャ・ジ・サンパウロ(Folha de Sao Paulo)に対し、「陽気で気取らず知的」なカリスマだと評し、「殺人を犯しても10%しか裁きを受けないブラジル社会の現実を人々に再認識させ、魅了した」と語った。(c)AFP