【3月7日 Xinhua News】地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の発効から1年余りが経過した。発効以来、中国は質の高い発展を促進し、中日韓の2国間・多国間の産業網と供給網の安全性を確保してきたほか、日系・韓国系企業に中国での発展への機会や自信を提供し、3カ国の経済・貿易協力が新たな段階に進むよう絶えず後押ししてきた。

 日本貿易振興機構(JETRO)が在中国の日系企業を対象に行った調査によると、「自由貿易協定(FTA)、経済連携協定(EPA)、一般特恵関税制度(GSP)を利用している」と答えた企業のうち、輸出は97社中58社(59・8%)、輸入は95社中61社(64・2%)がRCEPを利用している。

 三菱UFJ銀行の中国子会社、MUFGバンク(中国)青島支店の原義信支店長は「多くの企業がRCEPの利用メリットを享受していると言える」と指摘。日系企業は供給網の構築や、販売市場と製造市場の開拓に取り組んでおり、RCEPによってビジネス交流の円滑化や生産効率の向上が実現し、新たな商機が生み出されることが期待できると語った。

 原氏によると、MUFGバンク(中国)全体の昨年の外国為替取扱高は前年比で5・0%以上増え、山東省を担当する青島支店は10・0%を上回る大幅増となった。

 中日韓の海運ハブである青島市では「RCEP青島経済・貿易協力先行イノベーション試験基地」の設置のほか、国際定期貨物列車「斉魯号」の日韓陸海エクスプレスや青島-大阪間の海上輸送航路「RCEPエクスプレス」などを就航することで、海上・陸上・航空・鉄道の「4港連動」による高効率の物流システムを構築し、中日韓の2国間・多国間の産業網と供給網の安全性を確保している。

 同市北区商務局の隋淼(Sui Miao)局長によると、青島港の中日、中韓航路は名実共に「海の黄金ルート」となっている。例えば、中韓航路の大型貨客船「新金橋5号(ニュー・ゴールデン・ブリッジⅤ)」は、昨年の貨物量が30%増加したほか、中日航路の貨物船「東辰青島号」も就航当日から輸送能力の8割に達した。化粧品や電子製品、電気機械製品のほか、ハイエンド設備である洋上風力発電機のブレードなど高付加価値製品が輸送貨物の主力となり、青島の対日韓の貿易構造を効果的に高度化させた。

 中国税関総署の統計によると、昨年の中国とRCEPに加盟する他の14カ国との貿易額は7・5%増の12兆9500億元(1元=約20円)と、中国の貿易総額の30・8%を占めた。うち対韓国が3・2%増の2兆4100億元と14カ国中最大で、対日本は2兆3800億元だった。(c)Xinhua News/AFPBB News