【3月5日 AFP】中国全国人民代表大会(全人代)が5日、北京の人民大会堂(Great Hall of the People)で開幕した。李克強(Li Keqiang)首相は政治活動報告を読み上げ、今年の経済成長目標を「5%前後」に設定する方針を示した。これは数十年ぶりの低水準となる。

 エコノミストを対象にしたAFPの事前調査では、成長目標は約5.3%と予想されていた。

 昨年の中国成長率は3.0%と、目標の「5.5%前後」を大幅に下回った。厳格な新型コロナウイルス対策や不動産市場の冷え込みが響いた。

 しかし、配布された政治活動報告によると、李首相は「共産党中央委員会の強力な指導力の下、(ゼロ)コロナ政策に対応したほか、経済・社会開発を調整し、効果的に実施した」と強調した。

 政府活動報告ではこのほか、都市部で約1200万人の新規雇用を創出し、都市部失業率を5.5%前後に抑える目標が示される。消費者物価指数の上昇率目標は3%前後に設定される。

 一方、全人代開幕に合わせて公表された今年の国防予算は1兆5500億元(約30兆5000億円)と、前年比7.2%増となった。昨年の同7.1%増に続き、大幅な伸びとなる。(c)AFP