【3月2日 AFP】ロシアは2日、ウクライナ人戦闘員の一団が南部ブリャンスク(Bryansk)州に侵入したと主張し、大統領府は「テロ攻撃」だと非難した。

 ロシア当局は、一団を無力化させるために現地に治安部隊や軍を展開した。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領もその後のテレビ演説で、「ネオナチ」や「テロリスト」が同州の一般市民に向けて発砲したと糾弾した。

 大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は、「ウクライナ戦闘員による攻撃があった」とし、「テロ攻撃」と表現した。ウクライナ側は、報道のような事実はないと否定し、「挑発」だと指摘した。

 連邦保安局(FSB)は通信社を通じた声明で、同州のクリモフスキー(Klimovsky)地区で発生したとしている。

 ブリャンスク州のアレクサンドル・ボゴマズ(Alexander Bogomaz)知事は声明で、「偵察、破壊工作のグループがウクライナからクリモフスキー地区に侵入した」と述べた。知事は、同グループが走行中の自動車に向けて発砲し、1人が死亡、10歳の子どもが負傷したと明らかにした。

 通信社は捜査当局などの情報として、同グループが人質を取った可能性もあると伝えた。また、同知事はウクライナのドローン(無人機)が州内の村を攻撃し、民家が焼けたほか、迫撃砲も撃ち込まれたとしている。(c)AFP