【3月2日 AFP】インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は2日、ニューデリーで開催中の主要20か国・地域(G20)外相会合で、多国間主義は紛争や気候変動など世界の最重要課題を解決できていないと訴えた。

 モディ氏は実質討議開始に当たり、録画撮りされた演説で「今日、多国間主義が危機にひんしていることをわれわれは認めなければならない」と指摘。「金融危機、気候変動、パンデミック(感染症の世界的な大流行)、テロ、戦争など過去数年間の経験を振り返れば、世界のガバナンスが破綻しているのは明らかだ」と語った。

 インドは、中国をめぐる懸念を西側諸国と共有しているが、対ロシアでは、同国製武器の主要輸入国であり、同国産石油の輸入も拡大している。

 インドはまた、ロシアのウクライナ侵攻を公式には非難していない。ただモディ氏は昨年、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対し「戦争している場合ではない」と語ったとされる。

 モディ氏は演説で、ウクライナ侵攻をめぐり各国が分断されていることを暗に認めつつ、「協力しても解決できない問題のために解決可能な問題をおろそかにしてはならない」と述べ、一定の成果を出すよう参加国に呼び掛けた。(c)AFP