【3月1日 AFP】国軍が実権を握るミャンマーの人権団体は1日、同国にインド国有軍需会社が砲身を供給していると明らかにした。軍事政権により抵抗勢力の弾圧に使われる恐れがあると警告している。

 ミャンマーは2年前の軍事クーデターで民主化指導者アウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏が拘束されて以来、混乱が続いている。軍は抵抗勢力を弾圧しており、地元監視団体によれば、軍の弾圧による死者は3000人を超えている。

 ミャンマーの人権団体「ジャスティス・フォー・ミャンマー(Justice For Myanmar)」は、国軍は抵抗勢力に対し砲撃や空爆を行っているとしている。これに対し、国際社会からは国軍へ武器を供与しないよう求める声が上がっている。

 同団体が入手したデータによると、インド国有軍需会社ヤントラ・インディア・リミテッド(Yantra India Limited)は昨年10月、122ミリの砲身20門をミャンマーに輸出している。

 AFPも確認したこのデータによると、砲身は33万ドル(約4500万円)相当で、荷受人はヤンゴンを拠点とするイノベイティブ・インダストリアル・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド(Innovative Industrial Technologies Company Limited)だった。

 国軍が昨年実施したデータセンター用セキュリティー機器の入札で、同社が落札していたことが、AFPが確認した書類で確認できる。

 ジャスティス・フォー・ミャンマーは、砲身は国軍の武器製造に使われた可能性が高いとしている。

 同団体の広報、ヤダナマウン(Yadanar Maung)氏は、「インドは砲身の輸出によって、国軍の市民に対する無差別攻撃を直接的に支援していることになる」と非難した。(c)AFP