【3月1日 People’s Daily】2022年、中国の対外貿易は多くの想定外の要因による障害に見舞われたにもかかわらず、年間輸出入総額が初めて40兆元(約784兆円)を突破し、中国は6年連続で世界一の商品貿易国の地位を維持した。2023年に入り、対外貿易企業は海外市場への積極的なアプローチに注力している。

 浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)の舟山港では、2隻の20万トン級の大きなコンテナ船がコンテナの積み降ろしを行っており、45台の移動式クレーンと122台のガントリークレーンが忙しく動いている。

 素早い作業を展開する港湾の背後では、多くの対外貿易企業が注文に追いたてられて残業している。嘉善辺鋒機械股份有限公司の無人作業場では、スマート機器がブンブンと音を立てて作業しており、ロボットアームが上下に動いている。「当社の注文はすでに3、4月にまで入っており、今年は私たち対外貿易企業にとって『受注年』になりそうです」と、同社の王聖双(Wang Shengshuang)社長は語る。

「今年は10以上の国際展示会に参加し、海外の顧客を本社に積極的にご招待していきます。顧客に会えば、チャンスに会えるのです!」と、王聖双社長は語った。

 集団による海外進出、イベント参加、顧客訪問、協力の交渉が活発化している。2023年に入り、江蘇省(Jiangsu)、広東省(Guangdong)、浙江省(Zhejiang)、四川省(Sichuan)などの地域では、対外貿易企業の海外進出や、海外企業の誘致に励む等、一連の貿易促進策が実現され、対外貿易企業の市場開拓や受注への自信を大幅に高めた。

 従来の受注生産による対外貿易とは異なり、越境ECは直接消費者に向けて販売し、過去の販売データに基づいて生産を事前に計画できる。広東省の仏山市順徳区班利電器科技有限公司責任者の曾秋平(Zeng Qiuping)さんは、海外倉庫を持ち、物流の時間を短縮し、消費者の体験を向上させた結果、注文が増えた。「今年、わが社のカプセル式コーヒーマシンの輸出額が25%以上増加すると予想しています」と語る。

 オンライン取引や流通チェーンの短縮などの利点を生かし、越境ECは対外貿易企業からの高い支持を得ている。同時に、海外倉庫などの対外貿易サービスの新業態・新モデルも登場し、中国の対外貿易発展の品質と効率を不断に向上させている。

 2023年1月2日、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定がインドネシアで正式に発効した。江蘇省の南通市常海食品添加剤有限公司は、インドネシアに11万7800ドル(約1600万円)相当のアスパルテームを輸出する際に、RCEP原産地証明書を利用して約4万2000元(約82万4000円)の関税低減を実現した。

 RCEPの発効から1年が経過し、中国と他の14の加盟国との貿易投資協力はさらに強化されている。2022年、中国はRCEPの他の14の加盟国との輸入出額が12兆9500億元(約254兆900億円)に達し、前年比7.5%増加し、中国対外貿易の輸出入総額の30.8%を占めた。

 中国は現在、26か国・地域と19の自由貿易協定(FTA)を締結し、アジア、オセアニア、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アフリカにわたる自由貿易パートナーを有している。(c)People’s Daily/AFPBB News