中国でドローンショーが人気 ハイエンド製造業をけん引
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【2月27日 Xinhua News】中国の観光都市や観光地ではこのところ、小型無人機(ドローン)によるショーが人気を集めている。ドローンショーは中国の文化観光市場を観察する一つの窓口にもなり、人気の高まりの背景には文化観光市場と中国経済の回復が次第に進んでいることがある。
中国文化・観光部データセンターの推計によると、春節(旧正月)連休期間(1月21~27日)の国内旅行者は前年同期比23・1%増の延べ3億800万人で、国内観光収入は同30・0%増の3758億4300万元(1元=約19円)に上った。
ドローンショーの運営企業は一方で文化観光市場と結び付いており、もう一方ではドローン産業チェーン全体のハイエンド製造業とつながっている。
中国航空機大手、中国航空工業集団が発表した「ゼネラルアビエーション(一般航空)産業発展白書(2022)」によると、中国で一般航空の経営許可証を取得したドローン運航会社は1万2千社を超えている。
産業用ドローンメーカーの一飛智控(天津)科技(efyテクノロジー)は19年からこれまでに、1万機余りのドローンを販売した。今年最初の3千機の受注は間もなく生産に入る予定で、この受注はハイエンド産業製造チェーン全体をけん引することになる。
中国のある研究機関によると、ドローン産業チェーンの川上にはセンサー、バッテリー、リモコン送受信機、複合材料、飛行制御システム、ナビゲーションシステム、通信システムなど16種のコア部品製造企業が含まれる。国際機関はこのところ、相次いで中国経済の成長率見通しを上方修正しており、製造業大国は再び機械のごう音をとどろかせ、革新の活力をほとばしらせている。
天津大学ロボット・自律システム研究所の斉俊桐(Qi Juntong)副所長率いるチームは近年、この業界を長年悩ませてきた自律飛行制御や群制御などの重要コア技術100件以上を解決してきた。中国の無人ヘリ自律制御やドローン群制御の技術は世界の先進的水準に達している。
白書のデータによると、中国はここ数年、ドローン業界の製造・技術強国に急成長し、ドローンの出荷台数はすでに世界の70%を占めている。
一飛智控は22年下半期(7~12月)から日本やドバイなどの国・地域でドローンのパフォーマンスを開始した。同社の張雲(Zhang Yun)副総経理は「海外市場の需要は高まっており、世界各地の夜空でますます多くの中国製ドローンが見られるようになるだろう」と話している。(c)Xinhua News/AFPBB News