【2月27日 People’s Daily】中国のチベット自治区(Tibet Autonomous Region)の平均海抜は4000メートルを超え、酸素含有量は平野部の60%にすぎない。この地域は気候が寒冷で空気が薄く、自然環境上の制約があるにもかかわらず、人々は、サッカーを熱愛している。チベット高原でも、サッカーは異なる魅力を放っている。

 チベット自治区シガツェ市(日喀則、Shigatse)は、エベレストのふもとに位置し、平均標高4300メートル、エベレストに最も近いティンリ県(定日、Tingri)ザシゾン郷(扎西宗、Zhaxizong)という行政郷がある。郷完全小学校(6年制の小学校)の小さなサッカー場からは、遠くにエベレストを眺めることができる。冬休みには、近隣に住む子どもたちがサッカーをするために訪れる。

 学期中の毎週木曜日の午後には、学校のサッカークラブが定期的に活動を行い、校内で最も活気のある場所となっている。「子どもたちはサッカーが大好きで、学校のクラブ活動への申し込みにおいても、サッカーが最も人気がある。現在、サッカークラブには男女合わせて50人以上の生徒が参加している」と、サッカー好きの数学の先生、サッカークラブの責任者のプツシ先生は話した。

 ニンティ市(林芝、Nyingchi)メトク県(墨脱、Metok)は、平均標高1200メートルの地域であり、同県はサッカーの発展を重点的な取り組みの1つと位置付けている。メトク県は峡谷地帯に位置しており、県庁所在地や村々は山を背に建てられているが、それでも県内には10のサッカー場があり、そのうち1つは標準的な11人制サッカー場だ。

 サッカーは地元の子どもたちの中でも最も人気のあるスポーツの1つだ。メトク県完全小学校は、全国的に有名な特色あるサッカー学校で、市内で開催された5つのリーグ戦のうち3つで優勝を果たしている。アワン・ランジェ校長は、「学校には20人の男子サッカーチームがあり、2021年には18人の女子サッカーチームも設立され、毎週1回のサッカーの授業が確保されている」と語った。また、県教育局の胡志彬(Hu Zhibin)局長は、「我々はサッカーを各級の学校の体育授業に取り入れ、学校レベルのサッカーチームやサッカークラブを設立するなど、サッカーを積極的に推進している。現在、県内の中小学校は全てサッカークラブと男子サッカーチームが設立され、女子サッカーチームもここ2年間次々と設立されている」と述べた。

 近年、チベットでは関連施策を制定し、サッカー発展の方針を明確にし、サッカーに対する支援を強化し、チベットのサッカー運動の躍進を支援してきた。チベット自治区体育局の関係者によると、現在、チベットの74の県(区)全てにサッカー場が整備されているという。(c)People’s Daily/AFPBB News