【2月23日 AFP】国連(UN)は23日、世界の妊産婦死亡率は過去20年間で34.3%低下したものの、なお2分に1人の割合で死亡しているとの報告書を公表した。

 報告書は世界保健機関(WHO)などがまとめた。それによると、妊産婦10万人当たりの死亡数は2020年は223人で、2000年の339人から減少した。それでも世界で1日に800人近くの妊産婦が死亡している計算になる。

 死亡率の低下幅を国別で見ると、ベラルーシが95.5%減で最大だった。逆に上昇幅が最も大きかったのはベネズエラだった。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は、「すべての女性にとって妊娠は大きな希望であり、プラスの経験となるべきだが、世界の数百万人にとっては極めて危険なものとなっている」と述べた。その上で「すべての女性と少女が必要な医療サービスを利用でき、性と生殖に関する権利を行使できるようにすることが急務だ」と強調した。

 2020年の妊産婦死亡数のうち、約7割をサハラ以南のアフリカ諸国が占めた。報告書を執筆したジェニー・クレスウェル(Jenny Cresswell)氏は、死亡率はオーストラリアやニュージーランドの「136倍」と指摘している。

 深刻な人道危機に見舞われているアフガニスタンや中央アフリカ、チャド、コンゴ民主共和国、ソマリア、南スーダン、スーダン、シリア、イエメンなどでも、死亡率は世界平均の2倍以上となっている。(c)AFP/Agnes PEDRERO