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【02月23日 KOREA WAVE】会社の若手が上司との飲み会を敬遠する傾向は日本も韓国も同じのようだ。韓国で数日前、大学の同期の集まりで、20代の友達がこう言った。「私は飲み会が嫌いじゃない。むしろ楽しかった」。この人はMZ世代(1980年代半ばから2010年ごろまでに生まれた世代)。どちらかといえば内向的だ。それだけにこの「会食が好き」という発言は意外に思える。

◇「飲み会自体が嫌なわけではない」

もちろん、その友達はすべての飲み会が好きというわけではなく、いくつかの条件を挙げた。それは▽出席と飲酒を強要しない▽会場はいわゆる「ホットプレス」(有名店)▽平等な立場、雰囲気▽1次で切り上げる――のが良いという。

同期たちは社会生活上、必須の集まりである「飲み会」について論じ始め、ついに一つの結論に至った。「飲み会自体が嫌なわけではない。しかし、避けたい飲み会があるのは確かだ」

「避けたい飲み会」とは何か?――権威的な「私の時はね」が“おつまみ”になる場だ。これは「私の時はね」という飲み会はすべて拒否ではなく、「権威的」に思えて負担になるという意味だ。

「私が新入社員の時は、飲み会が決まれば慶弔事を除いてすべて参加した。最近はなぜこんなに出席率が低いのか」

「私が新入社員の時は、上司の杯ばかり見ていた。杯が空になるとすぐに注いでいたが、最近はそうではない」

飲み会が楽しみでも、こんな訓戒を聞かされたら、へきえきするというのがMZ社員の共通した言葉だ。

◇上司との飲み会に「自由」はあるか

飲食店に向かう足取りを重くする「忌避型」飲み会は、ほかにもある。

「今回の飲み会は、なるべく、すべての職員が参加するように」というのが代表的なものだ。目下の人の立場では「なるべく」という点を重視せざるを得ない。

半面、「選択の機会」を与える飲み会にはむしろ参加したくなるという。

つまり「会食には強制的に参加する必要はない。時間がある人だけ参加してほしい」というメッセージは、気持ちを軽くする。これであれば、飲み会が「業務のストレスを解消する機能」を持ち得ることもあるということだ。

上司が良かれと思って一席設けたとしても、MZ社員にとっては困ることもある。

杯を傾けながら「不満があるなら自由に話せ」というやつだ。これは前提からして成り立たない。わずかな例外を除いて、上司との飲み会は、そもそも不自由なものだからだ。

部下の不満を本当に聞き出したいのなら、飲み会の席で具体的に質問するのがお勧めだ。例えば、「通勤で大変なことはないか」
「担当業務が自分の関心と合っているか」「業務効率を阻害する環境的要因はないか」などと聞いてみる。すると「この先輩は私のことを本気で考えてくれているんだな」という感触が伝わる。

「MZ世代は顔色を伺わない」と言われている。だが実際には、ほとんどが「上司はどんなタイプなのか」を見抜こうとしている。不満を口にしたら一も二もなく傾聴してくれる上司が前にいれば、杯を満たす前に、その悩みを打ち明けている。

◇「部長、私たちの会食はいつするんですか?」

最後に飲み会の「お開き」も重要だ。MZ世代だけでなく、X世代(1960年代後半~70年代生まれ)とその前世代であるベビーブーマー世代の間でも、仕事と生活のバランスである「ワークライフバランス」を重視する文化は形成されている。

こうした流れを考慮して、1次会で解散したり、昼休みに会食をしたりするのも良いアイデアだろう。

数千年前の古代エジプトのパピルスには「最近の子供たちは行儀が悪い」と書かれていた。世代間の葛藤は人類が存在して以来続いているものだ。

特に、今は部長になっているX世代は、その登場からして尋常ではなかった。

1990年代前半から半ばにかけて高級車で女性をナンパする「狎鴎亭洞(アックジョンドン)オレンジ族」に要約されたX世代は、代わり映えのしない千編一律的な思考から脱し、個人主義を追求し、個性を発揮する世代だったではないか。

その時、ベビーブーマーの部長たちは「最近の新入社員は行儀が悪い」と舌打ちをしていただろう。

全国の部長たちは、過去を思い出してMZ世代と付き合ってはどうか。二言目には「MZだからだ」と言うのをやめ、「私の時はもっと行儀が悪かった」と新社会人の苦労と経験談を共有する。そして成長ノウハウを伝授するのだ。

MZ世代を個別的な存在として理解しようと努力すれば、てっきり飲み会が嫌いだとばかり思っていたMZ社員から、予想もしなかった反応を引き出せる可能性がある。彼らが先に「部長、飲み会はいつするんですか」と催促するかもしれない。【news1 ハン・ピョンチャン記者】

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